皮革バンド(ベルト)に関する知識
皮革の種類
アリゲーター
全体に胴が長く、腹部の鱗の形状はクロコダイルに比べやや長めの長方形をしています。時計バンド(ベルト)はこの腹部を利用しています。希少性の高い原皮です。生息地はアメリカ南部のルイジアナ州・フロリダ州などの沼や河川が中心です。
クロコダイル
胸部の鱗は細かく、長方形の鱗板が腹部全体に整然と並んでいます。横腹の鱗は丸みのある長方形でその巾は他の種類より狭いのが特徴です。生息地はアフリカ諸国の淡水の沼や河川が中心です。
カイマンクロコ
全体に骨質部が多く硬いため利用されるのは主に顎から脇腹の部分です。との部分の丸みを持った鱗の表情を活かし時計バンド(ベルト)に使われています。南米や中米の沼や河川が中心です。
リザード
世界各国に3000種類が生息しています。このうち、バンド(ベルト)にはリングマーク・ベンガル・アグラ・オーバルなどが使われています。模様が小さいためどんなタイプにも合いやすく、繊細なイメージがあります。
テジュー
南米ブラジル原産のトカゲの一種ですが、模様の違いから、別の種類として扱われています。腹部の長方形のうろこが他のトカゲには見られないボリューム感をもっています。
パイソン
パイソンは連続的な斑紋・模様があり、他の皮革には見られない美しさとワイルド感があります。生息地は東南アジアの熱帯地方に広く分布しています。
オーストリッチ
南アフリ力の喜望峰付近で飼育されている世界最大の鳥、ダチョウのこと。羽根を抜いた後の羽軸模様が特徴的で皮質は重厚で丈夫です。体は大きくてもとの模様は背中の一部だけなので大変貴重です。
シャーク
東南アジア近海に生息する体長1m50cmのブルーシャークといわれるサメの皮。水に強く、皮の凹凸で色の濃淡が出来、それがスジ状になっているのが特徴です。
カーフ
生後6ヶ月以内の子牛の皮のことで、非常にやわらかい風合いをもち、型押しなど様々な加工が可能です。6ヶ月から2年ぐらいをキップと呼びます。(2年以上は力ウといいます。)
ヌバック
力一フの銀面(脱色した皮の表面のこと)をサンドペーパーで軽く擦り、ベルベッ卜状に起毛させて細かな肌に仕上げたもの。
ラム
子羊のこと。独特のしなやかさを持ち表面の繊維が細かくとてもソフトで腕へのなじみのよさが特徴です。また服飾類によく使われています。
コードバン
馬の腰部の皮のことで、他の部分とは全く違い繊維組織が非常に緻密です。見事な光沢をもち、牛皮の2倍の強さを持っています。紳士靴の甲皮やランドセルに使われています。
作成工程
半へり返し仕立て
ウエルダー仕立て
へり返し仕立て
フランス仕立て
切目仕立て
仕立て種類
半へり返し仕立て
表材(主に天然皮革)と裏材(主に合成皮革)を融着させる仕立てです。特に、表材をサイド面の下端までかぶせて、へり返し加工と同等の仕立てをしたものでサイド面のなめらかさが特徴です。
※へり返し=表材でサイドを包み込むこと
ウエルダー仕立て
表材(主に天然皮革)と裏材(主に合成皮革)との間にネオ・プレート(ナイロン系シート)をはさみ、これを高周波加工により融着させる仕立てです。
へり返し仕立て
表材(主に天然皮革)で芯材(中芯)を包み込み(へり返し加工)、これと裏材(主に合成皮革)を高周波加工により融着させる仕立てです。
フランス仕立て
表材(主に合成皮革)で芯材(中芯)を裏側から包み込み(へり返し加工)、これと表材(主に爬虫類の天然皮革)を高周波加工により融着させる仕立てです。
切目仕立て
表材(主に天然皮革)と裏材(主に合成皮革)を高周波加工、あるいは接着剤により貼り合わせる仕立てです。サイド面はその皮革の持ち味を生かすように、打抜型でストレートに切断し、サイド部分の表面は光沢剤で磨き上げていきます。
色落ち
原因
発汗が多く、原皮とのすきまにしみこんで染料が溶け出した場合。
色どめのバラつきで、うすい部分が摩擦により取れた場合。
発生時期
夏場が比較的多い(発汗が原因の場合)
真夏は数日の着用で発生。
対応
衣服の染み抜きは、家庭やクリーニング店での洗浄は不可なので、メーカーで染み抜きを致します。
代替えについては、皮革バンド(ベルト)では再発ある恐れがあるので十分考慮します。
かぶれ
原因
汗の成分(塩分など)によるもの。
皮革バンド(ベルト)の表面処理に使う、なめし剤や染料、接着剤によるもの。
バンド(ベルト)をきつく締めすぎたため。
皮膚が弱い、アレルギー体質、内臓疾患がある、体長不良など体質的なもの。
発生時期
夏場が比較的多い(発汗が原因の場合)
人によってすぐ発生したり、しばらく使用して発生する場合があります。
対応
一時ご使用をやめていただき、同タイプのバンド(ベルト)をはじめ、皮革バンド(ベルト)では再発するおそれがあるので 、十分考慮し、 代替をします。
お手入れ方法
1. 皮革製品は汗やホコリを嫌います。汗・水・汚れなどが付着したときは柔らかい布でよく拭き取って下さい。
また使用後は拭き取ったあと、充分に乾燥させて下さい。
2. 腕を絞めつけず、汗を付着させにくくするため、(指一本分くらい)通気性を良くして使用しましょう。